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六根精浄 [ Rock on SHOJO ]

五感と心を洗う、人間らしい時間をプロデュース

黄檗禅僧とつくる精進うなぎ

 仏教的な食事といえば、精進料理。動物性のものを一切調理しない食事のことで、そこに込められた仏教的哲学から、噛めば噛むほど滲み出る奥深さを感じられそう。なかでも、禅宗の一派である黄檗宗の精進料理は「普茶料理」と呼ばれ、専門料理店が本山萬福寺を囲むように点在しています。ちなみに、宇治の黄檗のほか、京都市内は鞍馬口に位置する瑞芝山閑臥庵では、ライトアップされた境内のロケーションで普茶料理が味わえるようです。

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 今回は、その普茶料理にある一品・うなぎのモドキ料理を、実際に調理しました。講師は、料理を担う「典座」と呼ばれる黄檗僧の方。典座として20年のキャリアをお持ちで、すべてが初めての我々を、一歩一歩導いてくださりました。いや、やっぱつくるとなるとド素人じゃ何ともならないところもあって、レシピだけに従っても失敗しそう......! 典座として積み重ねられた年数があるからこそ、感覚を頼りに生み出されるんであろう、ウナギモドキ。キッチンのセンスがない俺は、遠巻きに眺めるのが人のためなんでありました。

 調理の過程を観察していると、ついつい修行僧の涙ぐましい努力を想像しちゃう...! 如何にしてウナギに近づけるか。腹から開かれたウナギの身の再現。食物繊維を練り込んでまで追求しちゃう小骨感。炙られた皮に見立てる海苔。よっぽど、ウナギが食べたかったんでしょうな......。小骨なんて喉に引っかかるし、そこまでして似せる必要があったんだろうか。ただのモドキ料理かと思いきや、修行僧の潜在する欲求を表現せんがため、鬼気迫るアート性すら、時代を超えて宿してしまう精進うなぎ。こりゃアツいわーロックだわー。

 そのあとは、参加者の皆さんと仲良く、おいしくいただきました。見た目が想像以上にウナギ。それでも、やっぱ味は植物性タンパク質。ウナギっぽいけどウナギじゃない、このひと口を味わうために繰り広げられたドラマのスケールって、いったい!

 ちなみに、見た目だけに飽き足らず、味も追求しちゃうときは、ウナギエキスを加えるそうです。本末転倒。